
暑い夏、エアコンをつけても、猫は涼しい部屋を出ていき、陽がさんさんと当たる窓際や、洋服が重なったクローゼットの中を好んでくつろいでいる―――。
これって「猫あるある」です。
この時期、ペットコーナーで猫用の冷感マットなどもよく見かけるようになりますが、
見るたびに冷感マットやひんやりグッズを喜ぶ猫っているのかなと疑問に感じます。
どうして猫は涼しい部屋を嫌がるの? 暑い場所に放っておいても熱中症にならないの?
解説したいと思います。
猫が涼しい場所を喜ばない理由

猫が犬と違ってエアコンのついた快適な涼しい場所より暑いところでくつろぐにはいくつか理由があります。
①猫はもともと暑い地域で生息する生き物だから
イエネコの祖先は中近東の砂漠地帯で生息していたリビアヤマネコです。
現在もリビアヤマネコの性質を引き継いでいるイエネコは湿気や寒さに弱く、逆に高めの気温の方が強くなっています。
人間にとっては25度~27度くらいが快適ですが、猫にとってはちょっと寒く感じるのかもしれません。
②体温が高い
猫の体温は38度~39度で、人間よりも高くなっています。
このため、人間が暑いと感じる高い気温でも、過ごしやすいと思っていることもあるようです。
③体温維持のためのエネルギー消費を節約
動物は体温維持のために大きなエネルギーを使っています。
野生の猫たちは暖かい場所に留まることで、このエネルギーを節約しています。
現在のイエネコも祖先の性質を受け継いでいます。
このため、人間には暑く感じても、涼しい場所より温度が高めの場所の方が落ち着くようです。
④エアコンの風が苦手
猫の皮膚感覚はとても敏感です。
このため、体にエアコンの風が当たることを嫌がる猫も多く、また、冷たい風が当たるのが寒いと感じるのかもしれません
猫が好んでいるからといって安全ではない

猫は習性から暖かい場所を好みます。
しかし、「自分が好んで暑い場所にいるのだから大丈夫よね」と、放っておいてはいけません。
猫は30度くらいまでなら平気で過ごせるようですが、それ以上の暑さの中に長時間いるのは危険です。猫自身は危ない暑さになっていることに気づかずに寝ていることもあるので、注意してください。
こんな場所にずっといたら注意
猫が自分で好んでいるとしても、次のような場合は気をつけて。
自分の目の届かない場所にいる場合は定期的に様子を見に行き、危ないなと感じたら涼しい場所に移動させましょう。
- 真夏の直射日光が当たる窓際にいる
- 風通しが悪く、空気がこもっている場所にずっといる
- 暑い部屋のベッドの布団の中にもぐりこんでいる
- 暑い場所に長時間いて、水を飲んでいない
- 高齢の猫や肥満の猫、ペルシャやエキゾチックなど鼻が低いタイプの猫

まとめ
暑いのに風呂の蓋の上でゴロゴロしていたり、窓ガラスにへばりついて寝ている姿を見ると、本当に猫は暑さに強いと感じます。
それでも油断は禁物。
暑い中、放っておくと、気づかぬうちに熱中症になる可能性もあります。
たとえ猫自身が暑い場所を好んで寝ていても、気温が高すぎる場合は長時間ほうっておかず、涼しい場所に移してあげてください。