猫が口にしたら危ない植物|ユリ、チューリップ、スズランにも毒がある

家に何気なく飾っている花や観葉植物が、実は猫にとって有毒なものかもしれません。

ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)動物毒物管理センターが受けた多くの通報のうち、10%は有毒な植物に関するもので、「 ペットの有毒物質トップ10のリスト」では5位になっています(2021年)。

猫にとって危ない植物の種類はとても多く、なかには舞った花粉を吸うだけでリスクのある毒性の強い花や、口にすると最悪、死に至る怖い植物もあります。

そこで、猫と暮しているなら絶対避けたい植物を紹介します。

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猫にとって危険な植物

ユリ

日本ではとても身近なユリ。いろいろな種類があり、華やかで香りもいいので、人気のある花です。しかし、ユリは猫にとって最大ともいえる危険植物。
葉をすこし食べたり、花粉をなめたり、花瓶の水をのんだりしただけで、腎不全を引き起こす可能性があり、急性腎障害で死に至ることも。

スズラン

清楚で可愛らしい姿とは裏腹に、スズランは特に根と花に「コンバラトキシン」や「コンバロシド」という有毒物質を持っています。
間違って食べてしまうと嘔吐や下痢、頭痛、めまい、血圧低下、心臓麻痺などを引き起こし、最悪の場合、心不全で死に至る猛毒です。
スズランを入れた花瓶の水を飲むだけでも危険です。

秋のクロッカス

秋に咲く紫色のクロッカスには、猫に有毒なアルカロイドのコルヒチンが含まれています。
すべての部分が有毒で、摂取するとよだれや嘔吐、血便などの胃腸障害のほか、呼吸困難、発作、腎臓や肝臓の損傷を引き起こし、最悪の場合は死に至ることも。

チューリップ

チューリップはユリ科の植物で、ユリと同様、猫にとって危険な植物。
特に球根には心毒性の有毒成分が集中していて、もし食べてしまった場合には、よだれや嘔吐、下痢、震え、心臓の異常などを引き起こす可能性があります。

スパティフィラム・フィロデンドロン・ディフェンバキア

サトイモ科の植物は猫にはとっては有毒で、なかでも毒性が高いのがスパティフィラム、フィロデンドロン、ディフェンバキアの3種類。
不溶性のシュウ酸カルシウム結晶が含まれていて、かじると口の中の炎症や、よだれ、嘔吐、嚥下困難などを引き起こします。

一般的には致命的ではないものの、重度では腎障害や中枢神経系に悪影響を及ぼします。

サトイモ科の植物には、ほかにもカラーやポトス、カラジウムなどたくさんの種類があります。

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つつじ・シャクナゲ

グラヤノトキシンという有毒成分がふくまれており、植物のすべての部分が有毒です。
猫が摂取すると、少量でも中毒になる可能性があります。

中毒症状としては、よだれや嘔吐、下痢、食欲不振、不整脈、衰弱、震えで、重症になると一時的な失明、発作、死に至ることもあります。

シクラメン

クリスマスシーズンには欠かせないシクラメン。
有毒成分のサポニンが植物のすべての部分に含まれていますが、特に球根に集中しています。
少量、食べたときには、よだれ、嘔吐、下痢などの症状が、大量に摂取すると、心拍数の異常や発作、重症化すると死に至ることもあります。

アイビー

よく見かける人気の観葉植物ですが、サポニンやファルカリノールという有毒物質を持っています。
猫が口にするとよだれや嘔吐、下痢、胃腸炎、皮膚炎などを引き起こし、呼吸困難に陥ることもあります。

水仙

すべての部分にリコリンという毒性物質が含まれており、特に有毒なのは球根です。
食べてしまうと不整脈や極度の低血圧、呼吸困難、痙攣を起こすことがあります。

ラナンキュラス

すべての部分に刺激性のプロトアネモニンという物質を含みますが、特に若い葉や茎、根が危険です。食べてしまうと口の中に炎症を起こすほか、嘔吐や下痢、胃腸の炎症なども。
プロトアネモニンは、花が開く頃に一番濃度が濃くなります。

ナンテン

実に含まれるドメスシンは咳止めに効能があり、のど飴にも使われていますが、猫にとっては危険です。

葉には熱と水分に反応して猛毒成分のチアン水素を発生させるナンジニンが含まれています。 ナンテンを猫が食べてしまうと嘔吐や下痢、痙攣、衰弱、運動障害、呼吸不全などを引き起こす可能性があります。

キョウチクトウ

夏にきれいな花を咲かせるキョウチクトウ。
公園でもよく見かけますが、心毒性を持つ強心配糖体が含まれており、口にすると、よだれ、嘔吐、下痢、協調運動障害、震え、発作、致命的な心臓の異常などを引き起こします。

毒性が強く、人でも誤食すると中毒を引き起こし、成人の経口致死量は葉5枚から15枚とされているので、猫の場合は1枚でも危険でしょう。
キョウチクトウのすべての部分、花瓶の水も有毒です。

あじさい

茎や葉、花のすべての部分にアミグダリンと呼ばれる青酸配糖体の毒性物質が含まれていますが、もっとも毒性が高いのが根と花です。

この毒素は植物を噛むと活性化し、青酸中毒を引き起こします。人間にとっても有毒ですが、猫が口にすると、少量であれば嘔吐や下痢程度ですが、大量に口にした場合、呼吸困難や麻痺、痙攣、昏睡状態になり、最悪の場合、数日で死に至ります。

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ほかにも猫が食べてしまうと危険な植物はたくさんあります。
あまりに多いので、猫と暮している人は、家の中に植物を置かないのが一番安全です。

猫にとって優しい植物

猫にとって優しい植物としては次のようなものがあり植物があります。

・バラ
・パキラ
・エアプランツ
・ひまわり
・ラン
・キンギョソウ
・フリージア
・スターチス
・ストック
・ワックスフラワー
・トルコギキョウ

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まとめ

猫にとって有毒な植物がこんなに多いとは驚きますよね。
何も知らずに部屋に飾っていた毒のある花を、猫が口にしてしまったらと考えると怖くなります。

猫に危ない植物は身近に置かないこと。
危険な植物の種類が多いので、安全とされているものから選んだ方がよさそうですね。

参考:「猫が食べると危ない食品・植物・家の中の物図鑑 監修:服部幸」(構成:ねこっこ)
12 Most Common Poisonous Plants for Cats | BeChewy
Are Hydrangeas Poisonous to Cats? | PetMD,
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