イエネコはずっと子ネコの気持ちのままでいる

これまで猫と暮したことがなかった私の浅い知識のなかで、猫は犬と違って単独で生活する動物、だから集団で生きる犬と違って、そんなに人に甘えたり、ついてきたりしないものだと思っていました。

それが保護された野良猫を預かってみたら、最初は怯えて近づいてこなかったものの、慣れてきたらミューミャー鳴いてついてくるし、すり寄ってくるし、寝るときもくっついてきます。それもびっくりするほどかわいい声で鳴くので、無視することができません。
つい、どうしたの? とたずねて、猫の要求に応えようと頑張ってしまいます。
これがよく言う「下僕感」か、と納得する今日この頃です。

でも、単独行動の猫が、こんなに人に甘えるのは何故なのでしょうか。

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イエネコは独り立ちする必要がない

野生の猫の場合、子ネコの時期はお母さんにご飯をもらい、たくさん甘えて、兄弟たちと遊びながら育ちます。
しかし、生後6か月くらいになるとお母さん猫は突然、「はい、もうひとりで生きていきなさい」と、容赦なく子ネコの元を立ち去ります。
これを機会に子ネコは独り立ちをして、ひとり〈1匹〉で生きていくようになるのです。

しかし、人と一緒に暮らす猫は、飼い主から親猫のようにずっと可愛がられ、一生面倒をみてもらいます。
このため、猫は独り立ちをする必要がなく、いつまでも子ネコの気持ちのままでいるのです。

お腹が空けばミャーと鳴き、遊んでほしければミャーと鳴き、撫でてほしければミャーと鳴く。
飼い主は鳴かれると、「お腹空いたの?」「遊びたいの?」「おやつが欲しい?」「ナデナデする?」と、猫の気持ちに応えようと頑張ります。
こうして猫は、鳴けば飼い主が自分の要求に応えてくれることを学んでいくというわけです。

ちなみに、この「ニャー」という鳴き方には赤ちゃんの泣き声に似た性質があるとも言われており、そのため人間がこのニャーに反応してしまうという説もあるようです。
私の友人のご主人も、飼い猫が鳴くと「男だけど、できることならお乳をあげたいほどカワイイ」と言っていました。
赤ちゃんの泣き声と同じ性質をもっているかどうかは別としても、母性をくすぐる声であるのは間違いないようですね。

また、大人になっても飼い猫によくみられる、抱っこをするとゴロゴロ鳴いたり、前脚で人の脚や柔らかいものをモミモミふんだりするのも子ネコの行動です。

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可愛いニャーは人に対してだけのコミュニケーション

野良猫は大人になると、普段私たちが家の中で聞いているような、カワイイ「ミャー」という声で、ほかの猫に話しかけることはほとんどありません。

この、私たちを魅了するミャーという愛らしい声は、人間に発せられる特別なもの。
何かしてほしいときに、人間に気づいてもらうためのコミュニケーションツールなのです。
なので、猫の鳴き声にすぐに応える飼い主と一緒に暮らす猫の方が、たくさんおしゃべりするようです。

確かにうちの預かり猫も、鳴かれるたびに「にゃんですか?」と応えているうちに、どんどんおしゃべりになってきている気がします。

まとめ

単独行動を好む猫なのに、イエネコがこんなに甘えてくるのは、いつまでも子ネコ気分のままだからなのですね。それを知って、ニャーと鳴かれるとこれまで以上に愛しさが増すようになりました。
愛猫がミャーミャー鳴いたら、煩わしいと思わずに答えてあげましょう。
会話すればするほど、親密な関係になれるのではないでしょうか。
猫にとっては、何でも言うことをきいてくれて、してやったりと思っているのかもしれませんが、子どもと思えばそれもまた可愛いものです。

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