猫は犬に比べるとフィラリアの発症率は高くありません。
なので、「蚊に刺される心配のない屋内飼いの猫であればフィラリア予防は必要ない」という意見が多いようです。実際、まわりの猫友さんたちに尋ねても、フィラリア予防をしている家庭はありませんでした。
猫をずっと飼われている掛かりつけの獣医さんにも聞いてみましたが、「必要ないと思います」とのことでした。
ただ、室内に蚊が入り込む恐れはあります。
もし刺されて、もしもフィラリアを発症した場合には、最悪、突然死の可能性もあるとのことで、完全室内飼いの猫にもフィラリア予防をすすめる獣医さんも増えているようです。

ここで気になるのが、予防薬の副作用。
どんな薬にも副作用はあります。
もしもの場合を考えて予防薬を与えるべきか、それとも猫がフィラリアになる確率は犬と比べて低いので、体への影響を考えてやめるべきか。
必要ない薬物はあえて体に入れたくないし……。
うーん……迷いますよね。
どのフィラリア予防薬も副作用はほぼないとのことですが、本当に大丈夫なのでしょうか?
心配性の私はどうにも気になります。
そこで、実際にどんな副作用があるのか、医薬品データベースで副作用の報告をチェックしてみたら、
怖くなっちゃいました……。
節足動物に毒性を与えて予防する

一般的に動物病院で処方される猫のフィラリア予防薬は、「アドボケート」「レボリューション プラス」「ネクストガード」が多いと思います。
そして、それらの有効成分は「セラメクチン」「サロラネル」「イミダクロプリド」「モキシデクチン」「エサフォキソラネル」「エプリノメクチン」「プラジクアンテル」です。
こんな成分の名前を聞いてもなんだかわかりませんよね。
そして、どういうものか調べる人も少ないと思います。
ざっくりいうとこれらの有効成分は、フィラリアやノミ・ダニなどの神経系に作用して、体を麻痺させて駆除するそうです。
「副作用が少ない」と推奨されていますが、少ないということは、副作用がゼロではないということです。副作用がゼロの薬なんてありませんが、重要なのは、「どんなレベルの副作用」があるのか、ということです。
死亡の副作用の報告も

フィラリア予防の薬投与後の副作用で獣医師から報告があがっているのが、次のような症状です。
虚脱、低血糖、高ナトリウム血症、高アンモニウム血症、嘔吐、下痢、けいれん、意識消失、血液検査異常(血中アンモニア濃度、ALT)、起立不能、高ナトリウム血症、元気消失、流延。食欲減退、瞬膜異常、下痢、腰の麻痺。虚脱状態、血栓、股動脈圧が触知できない状態、BNP値が高い、中毒症状、全身の脱毛、皮膚症状(めくれ上がる、乾燥、丘疹)、死亡
参考:NVAL動物用医薬品等データベース
アドボケート
ネクスガード キャット コンボ
レボリューション プラス
最悪の場合、死亡します。
そして、死亡に至らなくても、麻痺などの症状が残るなど、回復した症例はほとんどないようです。
考えてみたら虫を駆除する、つまり殺虫剤を体に入れるわけですから怖いですよね。
予防のために薬を与えて、逆に立てなくなってしまったり、死んでしまったりする可能性もあるわけです。
与えるべきか、与えないでいるか、よく考えて、予防薬を与える場合は薬の処方法や用量を必ず守り、慎重に扱いましょう。

