犬が楽しそうにお散歩している姿は、見ているこちらも楽しい気分になります。
でも、逆に見ていて「危ない!」と思うような散歩の場面にもちょいちょい出くわします。
いい加減なお散歩は、ときには犬の命にもかかわります。
また、周りの人を傷つける可能性もあります。
無意識に、そんな危ないお散歩、していませんか?
危ないお散歩7パターン
7つの危ないお散歩を紹介します。
①スマホ見ながらお散歩
よく見かけるのが、スマホの「見ながら散歩」。
飼い主さんはスマホを見ながら歩いているので犬のことを見ていません。
犬がオシッコしようとしていたり、においを嗅ごうと立ち止まったりしていても、お構いなしで歩いていきます。
中大型犬であれば力が強いので、飼い主さんも気付きますが、小型犬の場合はそのまま引っぱっていく人が多くいます。
かわいそうなことに、なかにはオシッコやウンチをしながら引きずられていくワンコもいて、「おいおいおい!」と声が出そうになります。
また、チョロチョロする犬の横すれすれに自転車やバイクが走って行く様子を見て、何度「危ない!」とこちらの方が焦ったことでしょう。
もちろん、スマホを見ている飼い主さんは気づいていません。
②犬に無関心で自分だけスタスタ歩く
スマホを見ていなくても、犬のことを気に掛けず「連れて歩いているだけ」のような人もよく見かけます。
公園でも道路でも、何が落ちているか分かりません。
地面に落ちているフライドチキンの骨や、たばこの吸い殻、人間の吐しゃ物など、犬は何でも口に入れてしまいます。
チキンの骨が内蔵に刺さってしまったり、タバコを食べてニコチン中毒になったりすれば命にかかわる場合もあります。
知り合いのワンちゃんは、具合が悪くなって病院で調べてもらったら、お腹に小石がたくさん溜まっていたそうです。
緊急手術で石を取り除き、無事に回復しましたが、お散歩中は犬が拾い食いをしないよう、常に注意が必要です。
③ノーリードにする
ドッグランなど、犬のリードを放していい場所以外でのノーリードは条例違反となります。
しつけているから大丈夫だと思っても、犬はとっさに予想外の行動をすることもあります。
気になるものを見つけて急に走り出す、道路に飛び出す、他の犬を攻撃する、走って行って落ちているものを食べてしまうなど、何が起こるか分かりません。
犬の安全のためにも、周囲のためにも、ノーリードが許されていない場所ではリードをつけておきましょう。
④街なかのロングリードでの散歩
特に小型犬でよく見かけるのが、ロングリードでの街なかのお散歩です。
適切な長さにして伸びないようにロックしていればいいのですが、ロックしないままの人が多いことに驚きます。
犬の動きに合わせてリードがビヨーンと伸びるので、とっさに犬が飛び出しても制止できません。
横断歩道や商店街など人が多い場所で、ほかの犬や人に飛びつこうとしたり、また、車やバイクに向かっていく場面に遭遇するとひやりとします。
人や車、犬など、さまざまなものに接触する可能性のある街中でのお散歩にロングリードは適しません。
④暑い日中のお散歩
人間のように汗を書けない犬は暑さに弱く、また体が地面に近いので、一緒に歩いている人間よりも暑さを感じています。
にもかかわらず、夏になると人さえ暑くてうんざりするような時間帯に犬をお散歩させているがいます。
上からの太陽の照りつけだけでなく、下からは熱したアスファルトの熱もお腹に受けてさぞかし熱いだろうし、肉球も心配です。
犬は22度程度でも熱中症になることがあるそうなので、自分はこれくらいなら大丈夫だと思っても注意が必要です。
また、犬を海で遊ばせるためではなく、あくまで飼い主さんの海水浴のお供で夏のビーチに連れていく人もいます。
人が海に入っている間、熱した砂浜の上で待っている姿はつらそうです。
飼い主さんにいろいろな場所に連れて行ってもらえのは犬にとって嬉しいことですが、犬の体のためには、犬にとって過ごしやすい場所を選んでくださいね。
⑤自転車でのお散歩
犬の運動量を増やしたいからと、自転車や、なかにはバイクをゆっくり走らせながら犬に伴走させている人を見かけます。
パワーのある犬で、本当に喜んで走っている場合はいいのですが、息切れ気味なのに休まず走らされている犬や、そんなに走れない高齢犬や小型犬もいて、見ていてハラハラします。
明らかに立ち止まりたいのに無理に走らされている犬や、オシッコやウンチもできず、こぼしながら引っ張られていく犬もいます。
こうなると、もう犬のためではないですよね。
もしかしたら、飼い主さんがあまり歩けないなどの事情があるのかもしれません。
だとしても、犬のようすを見ながらお散歩してあげてほしいと思います。
⑥高齢者や子どもとの散歩
高齢者や小さいお子さんが犬のお散歩をしていることがあります。
小型犬の場合は問題ありませんが、力の強い中型犬や大型犬の場合は、力が弱い高齢者やお子さんでは、もしもの場合に犬を制圧することができません。
実際、お子さんと高齢者の方が連れていた大型犬が、私が連れていた犬に急に飛び掛かってきたことがあります。
そのとき、リードを持っていた小さなお子さんは引っ張られてリードを放してしまい、付き添っていた高齢者の方も犬を抑えることができず、私は尻もちをつきながらその犬をおさえることになりました。
自分が連れている犬は、暴れたときでもしっかり制御できなければなりません。
そうでなければとても危険です。
⑦歩き方がおかしい
犬の後ろ姿を見ると、ついつい歩き方や足の形を観察してしまいます。
腰を振って歩いていたり、片足をわずかに引きずるように歩いていたり、たまにぴょんぴょん跳ねたりしている子がいます。
知っているワンちゃんであれば「足、痛がることはないですか」、などと訊ねることもあります。
たいていは、何も気づいていないか、歩き方がおかしいことには気づいていても「そうなの、うちの子、歩き方が変なのよー」と、気にする様子はありません。
でも、歩き方がおかしい、横座りする子などは、股関節形成不全で痛みが生じている可能性があるので、そのままにしておかず、すぐに動物病院で診てもらうことをおすすめします。
犬の健康をチェックするのも、お散歩の大事な役割です。
お散歩中は、犬がどんな歩き方をしているのか、気をつけて見てみてくださいね。
まとめ
犬のお散歩は一緒に歩く人にとっても楽しいものですが、あくまでも犬が主役。
そして飼い主は愛犬の保護者です。
犬のようすと周囲の環境に気を配りながら、一緒に楽しんでくださいね。