「猫にまたたび」ということわざがあるように、たいていの猫はまたたびが大好き(なかにはあまり興味を示さない猫もいます)ですよね。
またたびを嗅ぐと猫は体をくねらせたり、興奮したりして喜びますが、逆にそんな風になっちゃう「またたび」って大丈夫なの?
そこで、またたびについて調べてみたら、通常体に害はなく、それどころか人の食用や薬草としても使われているそうで。体によい植物だったのです。
そもそもまたたびってどんな植物?

またたび(木天蓼)は、別名「夏梅」「つる梅」などとも言われているそうで、夏に白い花を咲かせます。もっと怪しい木かと思ったら、可憐で可愛らしい花が咲くんですね。
標高の山地に生息し、日本でも北海道、四国、本州、九州に見られるそうです。
けっこうあちこちに生えている植物なので、もしかしたら知らずに見たことがあるかもしれません。
食用、漢方薬、お酒にも
またたびは実もなるんです。
で、その実を塩漬けや味噌漬け、薬用酒にして使い、若芽やつるはおひたしやてんぷら、油いためなどにして食べるそうです。
人間にとってもそんなに身近な植物だったなんて知りませんでした。
薬用酒、むっちゃ興味あるなー。
そして、腰痛、神経痛、痛風などの痛みや冷え性などに効能がある漢方としても使われているんです。
またたびは、人間も食用、薬用として昔から食べている植物と知って安心しました。
ていうか、すごく体によさそうじゃないですか!
ちなみにキーウィもまたたび科の植物なんですよ。
またたびを猫にあげるとどうなる?

猫に与えると、多くの場合「興奮する」「体をくねらせて陶酔状態になる」といった反応が見られます。
で、うちの愛猫に粉末状のまたたびをおもちゃにまぶして与えてみると、クンクンとニオイを嗅いで終わり、というときと、くにゃくにゃまったりするときと、興奮して走り出すときと、その時々で異なりました。
にゃんと! 猫がまたたびの葉に体をこすりつけるワケは
猫はまたたびの木を見つけると、葉を噛んだり、葉に体をすりすりとこすりつけたりします。
この「またたび反応」と呼ばれる行動は、「マタタビラクトン」という複数の化学物質を嗅ぐと起きる反応であることが分かっていました。
そして近年、またたび反応を誘引する活性物質として新たに発見されたのが「ネペタラクトール」で、ネペタラクトールには蚊を避ける効能があることもわかりました。
完全肉食動物で植物など食べない猫が、どうしてまたたびの葉をかじったり舐めたりするのでしょうか?
これは葉を傷付けるとマタタビラクトンやネペタラクトールがより多く放出される⇒物質に誘われる⇒またたびの葉に体をこすりつけたくなる⇒防虫効果が高まる
という仕組みになっているそうです。(岩手大学HPより)
蚊に刺されるとさまざまな病気を引き起こします。
こんな蚊よけのしくみを作っているなんて、動物ってすごいですね!
また、猫がまたたびでうっとりしていると、「麻薬のように依存性があるんじゃないの?」なんて心配もありますが、やはり岩手大学の研究で「依存性はなし」と報告されているので安心しました。
ただし、子猫や高齢の猫、病気や投薬中の猫の場合は、獣医さんに相談してから与えましょう。
粉末、スプレータイプ、小枝 効き目の違いは?
一般的によく見られるのが粉末状のものですが、スプレータイプや、小枝などもあります。
それぞれ成分含有量が異なるので、使用量をチェックして与えすぎないようにしましょう。
粉末タイプ
またたびの実を乾燥させて粉にしたもの。
活性成分「マタタビラクトン」や「アクチニジン」の含有量が高め。
与えすぎると興奮しすぎることがあるので注意。
スプレータイプ
またたびの有効成分を水やアルコールなどで抽出。
抽出時の濃度によって違いはあるが、一般的に粉末より低め。
揮発しやすく刺激は穏やか。
小枝タイプ
またたびの木の小枝。
噛んでいるうちに中の成分が出てくる。
粉末より穏やかに作用する。
齧ってデンタルケアにも。
猫が自分のペースで齧ってゆっくり楽しめる。