猫に多い病気と言えば、やはり腎臓病というイメージがあります。
ということは、猫の寿命を縮める最大の原因も、腎臓病かと思っていましたが、そうではないようです。
アメリカの研究者が猫の寿命について調査したところ、意外なことが判明しました。
避妊、去勢手術をしていない猫の寿命はとても短い
アメリカ・カルフォルニアの大学の研究者や獣医たちが、30年間(1989年~2019年)の間に死後検査を受けた3,100匹以上の猫(85%は雑種)の症例を調査しました。
調査した猫たちの避妊と去勢の割合は、避妊手術をしていない雌猫が5.66%、している雌猫が39.86%、去勢していない雄猫が6.95%、去勢した雄猫が47.49%でした。
そして、1歳以上の避妊手術をしていない猫の平均寿命が4.7歳であるのに対して、避妊手術をしている猫は10.5歳。
1歳以上の去勢していない雄猫の平均年齢は3.7歳で、去勢している雄猫の場合は9.8歳でした。
なんと、避妊や去勢手術をしている猫の方が、2倍以上も寿命が長かったのです。
死因の最多はガン
死因として最も多かったのはガンによるもので、全体の36%を占めていました。
腎臓病にかかっていた猫は約63%と多かったものの、実際に腎臓病が死因となったのはわずか13%。
腎臓病は確かに猫に多い病気ですが、猫の寿命を短くする最大の原因はガンだったのです。
人間の場合も、2人に1人はガンになると言われていますが、猫の死因で一番多いのがガンだったとは。
個人的には驚きましたが、この調査を率いたマイケル・ケント博士は、去勢・避妊手術の有無にによって寿命が大きく変わることについては、「性別を問わず、無傷の猫の寿命が大幅に短いことを発見して、本当に驚きました。これは大きな発見です」と述べていますが、ガンが最大の死因でることについては、「腫瘍医としてそうしたケースは多く見ているので、ガンに起因する死亡の多さについては驚かなかった」としています。
参考:参考:UCDVIS VETERINARY MEDICINE 猫の長寿の秘密を解き明かす |獣医学部 (ucdavis.edu)
まとめ
これは、アメリカの猫での調査結果ではありますが、日本の猫たちにも当然、当てはまることだと思います。
愛猫の長寿のためには、避妊・去勢手術をすることや、がんや腎臓病に気を付けることが重要だと言えるでしょう。
定期的な健康診断や、日頃から猫の身体に触れて、腫瘍がないかチェックすることも大切ですね。