猫にご飯をあげてもニオイをかいでからチョイチョイと砂をかけるような行動をとり、食べずに去ることがよくあります。器の下に敷いておいた布がご飯の上にかぶさっているときなど、よほどご飯が気に入らなかったのだなとがっかりします。
あとで食べたとしても、お腹がすいてしぶしぶ食べているのだろうと思い、猫に喜んで食べてもらいたくて、ウエットやらかつお節やら鳥のササミやら、どんどん追加するご飯グレードアップ地獄に陥ります。しかし、それでも砂かけもどき行動はなくなりません。
「いったい何なら食べるのよ――!」と悩んでいましたが、なんてことはない。
これは「ご飯に砂かけ」ともいわれる、猫によくある行動だったのです。
猫が野生時代にエサを隠した習性の名残
そもそも猫はむら食いです。ちょっと食べては寝たり、遊んだりして、少ししてからまた食べることを何度も繰り返します。
(最初はこれも知りませんでした。今の猫を一時預かりしている、とある猫の保護の会からは、「いつでも食べられと思って残すから、出して食べなかったらすぐに下げてください」と言われていました。必ず残すので心配していましたが、あとから獣医さんに、猫はむら食いするものなのでそのままで大丈夫ですよ、と言われてホッとしました)
ご飯を食べずにしゃっしゃっと砂をかけるしぐさをするのは、単にその時にたべる気分じゃない、食欲がないということ。
野生時代に、「今はお腹がすいていないからから後で食べよう」と、見つけたエサや獲物を砂や枯れ葉や草などで隠していた習性が残っていて、周りにかぶせるものがなくても、砂をかけるしぐさはやってしまうのです。
心配ないので放っておこう
そうはいっても、おいしそうな缶詰やお肉をのせてあげると食べるから、やっぱりご飯が嫌いで食べなかったんじゃないの? と思う人もいるかもしれません(私もそう思いました)。でも、そうではなくて、「食欲はないけど、なんだかおいしそうなものがでてきたから食べてみよう」という感じらしいです。
その証拠に、同じ缶詰やお肉を続けてあげると、やっぱり残して砂かきをするようになります。
残しても、お腹が空けばそのうち食べます。
ご飯をアップグレードし続けてもきりがありません。
健康な猫であれば放っておきましょう。