犬や猫を見るとどうしてこんなに可愛いと思ってしまうのでしょうか。
自分のうちの犬や猫はもちろんのこと、ほかの通りすがりの犬や猫たちを見ても、かわいくて胸がきゅーっとしちゃいます。
こんなに可愛いと思ってしまうのはちょっと異常なのかしら、なんたまにに不安になるのは私だけではないはずです。
でも、安心してください。
犬や猫を可愛いと感じてしまうのには、心理学的にちゃんとした理由があるのです。
赤ちゃん顔は心理的に守ってあげたくなる
人はあどけなくて可愛らしい顔を見ると、心理的に「守ってあげたい」「世話をしてあげたい」と思うようになっているそうです。
そして、その可愛らしい顔の具体的な特徴は何かというと、
・つぶらな瞳
・丸顔でふっくらした顔
・顔の下の方にパーツが集まっている(おでこが広い)
の3つだそうで、これって赤ちゃんや仔犬、子猫の特徴ですよね。
この心のしくみ(理屈なく「かわいい!」と思う気持ち)によって、赤ちゃんや動物は守られ、お世話されて生き延びてきたというわけです。
これを「ベビーフェイス効果」と呼ぶそうです。
大人でもベビーフェイスの人を見ると「かわいい」と思ってしまうのは、こういうことなのですね(いいな~宮崎あおいさんとか永作博美さんとか、いくつになっても幼女のようで可愛いし)。
そういえば、マンガのキャラクターとかご当地キャラなども、「ベビーフェイス効果」の特長に当てはまります。
多くの人から愛されやすくするために、このベビーフェイス効果を利用しているものは多いのです。
参考書籍:サクッとわかる ビジネス教養 認知バイアス(藤田政博)
世話してもらうためのネオテニー(幼形成熟)戦略
ベビーフェイス効果に加えて、人と暮す動物は「ネオテニー」であることも、人が犬や猫などの動物を可愛いと思う理由です。
ネオテニーとは、成熟してからも子どもの性質を残している状態です。
ベビーフェイス効果のような外見的なもののほか、人と暮す犬や猫には、好奇心旺盛で甘えん坊、遊び好きといった子どもの性質が残っていて、こうした子どもっぽい行動がとても愛らしく感じるのです。
これは人と暮す動物の特徴で、人に愛されお世話をしてもらうための戦略だということです。
猫は可愛がられる条件をすべて満たしている
さらに、ある動物学者によると、哺乳類と鳥類の子どもは「かわいさの条件」を満たして生まれてくるそうで、その条件とは、「小さくて、丸くて、やわらかくて、温かい」こと。
人間は成長するにつれて、こうした特徴や条件を失っていきますが、動物はそうではありません。
丸顔の犬は成犬になってもあまり変わらないし、特に猫の場合は犬のように種類によって長い顔になったり足が長く精悍なボディになったりといった大きな体形の変化もなく、ベビーフェイス効果も、かわいさの条件も、共に保ち続けます。
無条件に「かわいい~」と感じ、お世話したくなる要素を兼ね備えているのです。
恐るべし猫よ。
参考書籍:「ネコの気持ちがわかる50のポイント」(加藤由子)