動物病院の選び方|3件目でようやく治った!

犬や猫と暮している方は皆さん、かかりつけの動物病院がありますよね。
その動物病院に通っている理由は「小さい頃から診てもらっているから」「先生が優しくてうちの子が慣れているから」「治療費が安いから」「待たないですぐに診てもらえるから」「近いから」など、
いろいろあると思います。
また、近所にはその動物病院しかないという場合もあるでしょう。

でも、もし、病気がなかなか治癒しない、または薬で治まっても症状がすぐにぶり返す、獣医師さんの説明に疑問を感じる、あまり親身でない、愛犬と相性がよくないと感じたりしたら、迷うことなく他の動物病院でも診てもらった方がいいと思います。

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獣医師には得意分野がある

人間の病院は耳鼻科、眼科、内科、外科など専門分野が分かれているのに対して、一般的に動物病院はすべての科の病気やケガを診療します。
眼科、耳鼻科、歯科、整形外科、脳外科、外科、内科など、すべてです。
そして多くの動物病院では手術も行っており、さらに犬や猫以外の動物も受け付けています。

これってすごくないですか?
そして、これだけ幅広い領域を診療するのですから、それぞれの知識や経験に偏りがあったり、得意分野や不慣れな分野があったりするのは当然だと思います。

うちの近所には動物病院が多く、10件くらいあります。
そして、これまで犬と猫とで20年間以上、いくつかの動物病院にお世話になっている経験から、
動物病院は「絶対にここ」と決めないで、病気がなかなか治らなかったり、
治療法や獣医師に疑問を感じたりしたら、ほかの病院でも診てもらった方がいいと思います。

治療法やお薬の処方、得意な診療、医療設備などそれぞれ違うので、
そのときの状況に合わせて最適な動物病院を選んでください。

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獣医師によってこんな違いがある

●得意な動物の種類

動物病院では、犬や猫のほかに、ウサギやハムスター、鳥類、爬虫類、なかには魚まで診てくれる病院があります。特にあまり一般的でない動物については診療の経験値に違いがあるため、獣医師の診断力や治療技術に差が出ます。
また、一般的なペットである犬や猫でも、「犬に詳しい」「猫の扱いが上手い」といった差を感じます。

診断力

似たような症状が出る病気は多くあります。
飼い主さんから状態を聞いて触診し、どこが悪いのか、どんな病気の可能性があるのか、どんな検査が必要なのかを判断するには、多くの経験や知識が必要です。

たとえば「歩き方がおかしい」場合では、膝の脱臼や股関節不全による痛み、椎間板ヘルニア、内臓疾患からくる痛み、目が見えないなど、さまざまな原因が考えられます。その中から原因を推察し、必要な検査を行って原因を突き止めるためには、経験と知識、また、いろいろな可能性を結び付けて考える力にかかっています。
診断が間違っていれば当然、誤った治療法を行うことになるので、治らないどころか悪化する場合もあり、最悪、手遅れになることもあります。

体験談①

愛犬の耳の具合がおかしいので動物病院に行ったところ、かかりつけだった獣医師からは「これくらい平気だ。自分で水で洗え」と言われました。
しかし、どう考えても平気には思えず他の病院に行くと、今度は水洗浄してくれました。
その先生はとても優しかったのですが、その後、耳の具合がよくなっているようには思えず、また違う動物病院で診てもらいました。
すると、その先生からは「こんな炎症が起きている状態で今どき水で洗うなんて……。この子、薬を出すけど、もう耳が壊れているかもしれないよ」と言われ、とてもショックを受けました。
幸いに愛犬の耳は薬であっという間によくなり、治りましたが、獣医師によってこんなにも差があるのだと思い知った最初の出来事です。

●治療法薬の処方

動物医療は日々進化しています。
人間の病院と同様、最新の治療法を「知っている」「行うことができる」病院と、できない病院があります。
薬に関しても同じで、病院によって処方されるものが違ってきます。
獣医師が治療や薬についてどれだけ十分な知識を持っているかはとても大切です。

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経験談②

抗生剤を処方してもらったとき、「前に処方したものだとお腹がゆるくなったと言っていたので、今回は別の種類のお薬にしますね」と、違う種類の抗生剤を選択してくれました。
愛犬の状態に合わせてその都度、薬の種類を変えてくれるので安心できました。

経験談③

これは猫の話ですが、友人の猫の具合が急に悪くなり、近所にある数件の動物病院で処方してもらってもよくならない。原因が分からない。呼吸困難になってきて危ない状態になりました。
誰かいい先生はいないかと聞かれたので、とりあえず掛かりつけの病院を教えると、

彼女はすぐにその病院で猫を診てもらいました。
そして、先生の見立てで検査をした結果、呼吸ができなくなっていた原因がわかったのです。
それは、他の病院で受けた点滴が、肺に溜まってしまっていたためでした。
肺から点滴を抜くとすぐに症状がよくなり、猫は一命をとりとめることができました。
その病院は、特に有名だったり、大きかったりするわけではありません。
ただ、獣医師の豊富な経験による見立てが正確だったこと、丁寧な診察が原因を解明し、猫を救ったのだと思います。
そして、彼女がすぐに他の病院に連れて行ったおかげです。

手術の技量
手術が上手な先生、得意でない先生というのはあると思います。
どれだけ経験があるかといったことはもちろんのこと、体が小さい動物の手術を行うのですから、もともとのセンスや手先の器用さなども関わってくるのではないかと思います(これは私の考えです)。
また、手術の場合、麻酔の扱い方も重要です。

経験談③

我が家の愛犬は17歳で首の後ろに腫瘍が見つかりました。

高齢での全身麻酔はリスクが高いため、手術はしないことにしたのですが、最初は豆粒ほどだった腫瘍が数か月後には洋ナシくらいの大きさにまで肥大化。それが破れて浸出液や血が出るようになりました。
傷も痛むようで可哀そうでなりませんでした。

先生からは、手術以外での治療法はないが、高齢での手術は一番のハイリスクだと言われていたので、手術は諦めていました。しかし、あまりのひどさにもう一度診てもらいに行くと、

先生は少し考えてから「もう覚悟する時期だと思います」というので、まさか安楽死ってことかと、ショックを受けました。

しかし「覚悟ってどういうことですか?」と恐々たずねると、「手術です。リスクは高いけど、このままでは●●君のQOLが保てないので」と。

「助かる可能性があるならばやりたいです(私)」「麻酔に最大限気を配って行いますので(先生)」ということで、17歳5カ月という超高齢で手術を行いました。

お昼過ぎから始めて2時ごろに終わる予定が、3時になっても、午後の診察が始まる4時になっても、5時になっても連絡がなく、「ああ、やっぱり駄目だったのかな」と打ちひしがれていたところに「手術は無事終わりました。夜の8時くらいには麻酔から覚めると思いますので、会いに来ますか?」と連絡があり、嬉しくて、ホッとして、泣けてきました。

あとから話を聞くと、切ってみると予想以上に腫瘍の血管が入り組んでいたので、切り離していくのに時間がかかったとのこと。

そして、以前「仔犬の頃、他の病院で去勢手術をした際に麻酔が夜中まで残ってずっとふらふらしていて大変だった。麻酔に弱いと思う」と、話したのを覚えていてくれて、なるべく体に負担がかからないタイプの麻酔薬を少しずつ、少しずつ、何回も投与することでも時間がかかったそうです。

取り除いた腫瘍は重さ800グラム。

約17歳半、超高齢での4時間以上の長時間の手術の成功に感無量。
本当に先生に感謝しました。

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●対応の仕方

「先生が親切」だからという理由で動物病院を選ぶ方は多いのではないでしょうか。
確かに獣医師の対応が親身であることは重要だと思います。
ただし「親身」であるというのは、ただ「感じがいい」「優しい」といったことではなく、患者(ペット)の状態にどれくらい真摯に向き合い、最適な治療を考えてくれるかということだと思います。

経験談④

愛犬が7歳のときに歩くのが遅くなり、散歩の途中で立ち止まってしまうことが増えました。
でも少したつとまた普通に動けるようになるので、軽度のパテラ(膝蓋骨脱臼)で、膝の骨がずれたり戻ったりしているんじゃないかと推測していました。

耳を治してもらって以来、通っていた病院に行くと、触診などはなく、レントゲン写真を見て、「レントゲンでは異常はないので、年じゃないですかね。7歳だとそろそろシニアだし」と言われて「え??」となりました。

それまで1日に7キロくらい歩いていた犬が、急に老化で座り込むようになった? 

そうとは思えず(思えないから獣医師に診てもらっているわけで)、「軽い膝蓋骨脱臼ということはないでしょうか。今はちゃんとはまっているとか」と聞いてみると、「僕はレントゲンで写っていることしかわかりませんから。もっと詳しいことが知りたいなら専門の病院に行ってください」とムッとされて診察が終わりました。

素人がよけいなことを言って気分を害されたのかもしれません。でも、違うなら「その可能性はないと思います」くらい言ってくれてもいいのに。

結局、何もわからなかったので、また違う動物病院に行って診てもらうと、説明した状況と足の関節の触診から、従事靭帯がゆるくなっているとのことで、運動の仕方に注意を受けました。
本当に獣医師によって対応はさまざまだと感じ入りました。

●設備

ワクチン接種やつめ切りなどのケアでは特別な設備は必要ありません。しかし、外科や内科では検査や治療のためにある程度の設備が必要です。

動物病院で使う機器には次のようなものがあります。

  • ホルモン測定機器や血液化学検査機などの血液検査機
  • レントゲン
  • エコー
  • CT
  • 内視鏡
  • 眼下検査機器
  • 超音波スケーラー

動物病院に備わっている設備は病院の規模や専門分野などで異なりますが、基本的なものとして、血液検査機器とレントゲン、エコーは必須です。
少し高度な治療を行うためには、CTや内視鏡なども必要になってきます。

●治療費

動物病院での診療は国の保険がきかない自由診療です。
なので、料金をいくらに設定するかはその動物病院が決めているのです。
初診料も治療費も、混合ワクチンやお薬の値段が動物病院によって違うのはこのためです。

→動物病院の診療費に差があるのはどうして?

●時間外診療や往診をしてくれるか

ペットが早朝や夜更けに急に具合が悪くなることもあります。

24時間空いている救急センターもありますが、かかりつけの病院が時間外診療をしてくれたら安心ですよね。
また、ペットが動けない状態のときには、往診に来てくれる獣医師がいると、とても助かります。
特に自分で運べない大きさの犬や、動かせる状態ではないときには、動物病院に連れていくことができません。
もしもの場合のために、時間外診療や往診をしてくれる動物病院を見つけておくと心強いです。

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まとめ

気兼ねする日本人の性質によるものか「ずっと通っている動物病院と違うところに行くのは悪い気がする」という方が多くいます。
でも、獣医師への気兼ねより、大事なのはペットの健康であり、命です。

もし、今かかっている病気がなかなか改善しない場合や、獣医師の診断や治療に疑問を感じたりした場合には、他の獣医師に診てもらうことをお勧めします。
掛かりつけの病院を1軒に絞る必要も気兼ねもいりません。
よいと思える動物病院をいくつか見つけておくと安心です。



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