犬の熱中症|どんな症状? 予防と応急処置は?

夏は楽しい季節ですが、心配なのは犬のお散歩。

健康な犬であれば、「夏は暑いからお散歩はしない」「外に出さない」なんてことはできませんよね。
とはいえ、年々暑さが厳しくなっています。

犬は人間よりも暑さに弱いので、熱中症にならないよう、注意が必要です。

熱中症は命に係わる病気で、早くに処置をすることが重要です。

熱中症の症状や対応法を紹介します。

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犬は背が低い分、それだけより暑くて熱い

暑さは、上からくる太陽の日差しによるものだけでなく、地面から伝わる熱も大きく影響します。

このため、大人より背が低く地面に近い子どもが感じる気温の方が高くなります。

身長170センチの大人と120センチの子どもでは、子どもの高さの気温の方が7度も高くなったという実験データがあり(サントリー社×ウェザーマップ共同検証より)、ということは、子どもよりも背が低い犬たちはもっと高い気温を感じていることになります。

さらにいえば、お腹の全面が地面に向いているので、地面からの反射熱の影響が大きくなります。

つまり、とても「暑い」「熱い」ということです。

そこで気をつけたいのが熱中症です。

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熱中症とは

熱中症は、高温、多湿な場所に長時間いることで体温が上がったり、脱水になったりして起こる病気です。

屋外でかかる熱射病と異なり、高温や多湿が原因で、屋内でも屋外でも発症します。

犬は人と違って汗をかいて体温を下げることができないので、人以上に熱中症をおこしやすいので注意が必要です。

熱中症の症状

熱中症は重症の場合、命にかかわります。

早いうちの対応が重要なので、まず熱中症になるとどんな症状が起こるのか知っておくことが大切です。

【初期症状】

  • パンティング(ハアハアと呼吸が荒くなる)
  • よだれ
  • 粘膜(歯肉や舌、結膜など)の充血やうっ血、頻脈
  • だるそうにする
  • ふらつく
  • 食欲がない

出来れば体温をはかりましょう。
40℃を超えていたら、熱中症の疑いが強いです。

【重度の症状】

  • ぐったりとして意識がない
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 震え
  • けいれん発作

DIC(播種性血管内凝固症候群)を発生することも多く、この場合、死亡率が高くなります。

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熱中症にならないために

とにかく、室内・室外にかかわらず、犬を高温・多湿の場所に連れていかない、おいていかないことが原則です。

【室内で気を付けること】

人間にとってはそれほど暑くないと感じる室内でも、犬にとっては高温多湿で暑いかもしれません。
自分の感覚ではなく、犬にとって適した温度や湿度を保ちましょう。

エアコンをつける

犬に適した温度は大きさや犬種、年齢、体調などで異なりますが、22度から25度くらいが適温だとされています。
愛犬の様子を見ながらちょうどいい温度に設定してください。

扇風機は涼しくない

私たちが扇風機の風に当たって涼しいと感じるのは、汗が風で蒸発するときに気化熱が発生するためです。
汗をかかない犬にとっては涼しさを得られず、熱中症を防ぐことはできません。

外出時はカーテンを閉めていく

朝と昼では日差しの強さが変わり、気温もぐっと上がります。
犬にお留守番をさせて夕方以降まで戻らない場合は、カーテンを閉めていきましょう。

部屋を移動できるようにしておく

暑かったり、逆にエアコンが涼しすぎたりすると感じたときに、犬は自分で心地よい場所を見つけるものです。

サークルやケージに閉じ込めず、家の中を自由に移動できるようにしておきましょう。
もちろん、ケガが発生する可能性がある場所などは入れないようにしておくこと。
クールマットや石のタイルなどを敷いておくのもいいでしょう。

犬の安全のためにサークルに入れておく場合は、暑くなりそうな窓際などに置かないこと。

また、エアコンの風が直接当たるような場所も避けた方がいいでしょう。
水はたっぷり用意しておいてください。

停電の場合も考えておく

暑い季節に心配なのが留守のときの停電です。

停電になるとエアコンは止まってしまいます。
部屋を締めっぱなしでエアコンが止まればあっという間に高温多湿の状態になってしまいます。
冷感マットを敷いておくなど、涼しい場所を作っておきましょう。
エアコンの自動復帰設定も忘れずに。

また、停電時など緊急事態に駈けつけてくれる人を探しておくと安心です。

私は、急な大雨によって新幹線が止まり、出張先から自宅に戻れなくなったことがあります。
とても焦りましたが、もしもの場合に備えて近所に住む友人と合いカギを交換してあったので、食事や排せつのお世話をお願いすることができ、とても助かりました。

【外出時に気をつけたいこと】

涼しい時間に

暑い時間帯のお散歩は避け、まだ気温が上がらない早朝や、気温が下がりきった夕刻に行きましょう。
できるだけ涼しい場所や日陰を選んで歩いてくださいね。

日は沈んでも地面は熱い

夕方になって日が沈み、涼しくなったように感じても、太陽の熱を吸収した地面はまだ熱しているものです。
肉球を火傷することもあるので、歩く前に地面に手で触れて確認してください。

肉球が弱いこなどは、靴を履かせるのもよいでしょう。

水分補給は小まめに

外出中は小まめに水分補給してあげることも大切です。
どこでもすぐにお水が飲めるよう、ウォーターボトルを持ち歩くと安心です。
アイスクールリングや冷却ウエアなどを利用するのもいいでしょう。

車内には絶対に置いていかない

暑い時期は絶対に車中に犬をおいていかないこと。

すぐに戻るから大丈夫だと思っても、締めきった車内の温度は急激に上がります。
25度だった温度がわずかな時間で50度まで上がることもあり、とても危険です。

また、犬によっては25℃以下でも熱中症になる恐れがあります。
夏ではなくても外の温度が25℃以上なら、車の中に犬をおいていくのはやめましょう。

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犬が熱中症になったときの応急処置

初期の段階では熱中症だと気づかないこともありますが、熱中症は重症化すると死にいたることもあります。

少しでも犬の様子がおかしいと感じたら、すぐに応急処置をしましょう。

症状が現れてから90分以内の処置が肝心です。

熱中症の症状が出たら

  • 涼しい場所に移動させて休ませます。水が飲めるようであれば少しずつ飲ませましょう。
  • 水をかけて体を冷やし、風を送って気化熱で体温を下げます。
    被毛だけでなく地肌を濡らすことが大切です。
  • 濡らした冷たいタオルをかけてあげることも有効です。
    太い血管が通っている首やわきの下、足の付け根を重点的に冷やすといいでしょう。
    ただし、早く体温を下げようとして、氷水や氷などで急激に体を冷やすと末梢神経が収縮し、熱が発散しにくくなるので逆効果です。
    タオルを巻くなどしましょう。
  • できるだけ早く獣医師に診てもらいましょう。
    すぐに症状が落ち着いたとしても、内臓にダメージを受けてあとから影響が出てくるかもしれません。
    必ずその日のうちに受診してください。

まとめ

犬の熱中症は、軽いうちは見逃してしまいがちです。
しかし、そのままにして悪化すれば命にかかわります。
すぐに対処することが必要なので、そのためには熱中症になったらどんな症状が出るのか、応急処置はどうしたらいいのかを知っておくことが重要です。
そして、「呼吸が荒いかも」「だるそう」など、少しでも異変を感じたら、できるだけ早く獣医師に診てもらってください。

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